妻のへそくりは誰のもの?-名義預金-


へそくりがたくさんある方は気を付けてください。

相続税の申告で専業主婦である妻名義の預金がたくさんあったが、実際のところは亡くなった夫の財産ではないかということで問題になった事例があります。

その奥様は亡くなった夫の相続税の申告の際に自分名義の預金については、当然私の財産だということで申告をしなかったのですが、税務署から奥様名義の財産も亡くなられたご主人の財産に含めて申告してくださいと指摘を受け、それに納得が出来なかったので国税不服審判所で争われました。(平成19年4月19日裁決)

【事例の概要】

  1. 妻は今まで勤めた経験はなく、結婚後は専業主婦だった
  2. 妻名義の預金等が夫の相続時点で6,400万円ほどあった
  3. 夫からは、結婚してすぐのころに、生活費として渡したお金で余ったものはあげるから好きにしていいと言われていた(と主張している)
  4. 結果的に上記2の預金等の全額6,400万円は被相続人である夫の財産ということになり、税務署の主張が全面的に通った

必ず覚えておきたい「名義預金」とは

相続税の申告が終わった後に、申告をした財産に漏れがないかどうか税務署が確認に来ることがあります(税務調査)。
その際によく問題になるのが「名義預金」というものです。

名義預金というのは、上記の事例のように専業主婦だった妻にたくさんの預金があったり、まだ働いていない孫にたくさんの預金があったり、その人の収入に比べて預金残高があまりに多いような場合に、預金の名義は確かに妻だったり孫だったりしているけど、被相続人がお金を出していて名義が違うだけで実際は被相続人の財産と認められるものです。

相続税申告では、被相続人名義の財産については基本的にすべて申告をしていますので、税務署が調べるのは被相続人の財産ではなく相続人や親族名義の財産の中に被相続人の財産が紛れていないかどうかを調べる作業が中心となります。

相続税の税務調査は相続人の財産調査だと考えていただくと良いです。

 妻のへそくりが名義預金とされた理由

この事例で、奥様は生活費としてもらったお金で余ったものは自由に使っていいと言われており、夫から妻へ贈与があったから私名義の預金は夫の財産ではないという主張をしています。

これに対して審判所は、妻に渡したお金は夫婦共同の物で余ったお金を妻名義の預金にしたとしてもそれは変わることがないと判断し、たとえ口頭での贈与契約があっても夫の財産であるとされました。

また、妻の証言に信憑性がなかったことも理由の一つです。

 まとめ

税務調査では今回のような名義預金が問題になることが多いです。

口頭の贈与契約では贈与があったかどうかあいまいになってしまいますので、贈与をされる際は必ず贈与契約書を作成し、はっきりと贈与があった証拠を残しておきましょう!

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